双極性障害から見つけた、私らしい「我慢しないキャリア」の育て方

双極性障害から見つけた、私らしい「我慢しないキャリア」の育て方

私は全国を飛び回る薬剤師だった。

小さい頃に植え付けられた価値観から、私の夢は「薬剤師」しかなかった。最初は反発することもあったが、いざ薬学の世界へ深く飛び込んでみると、学ぶことの面白さに心底魅了されていった。

現代の薬剤師は「個別化医療」を推進し、人と人、地域、そして社会をつなぐ重要な役割を担っている。

「多職種連携」という言葉をご存じだろうか。

1人の患者さんを多様な職種の目で専門的に見守り、その「人生」に寄り添っていくために、これからもっと重要とされる仕組みだ。決して孤立させない。1人で抱え込ませない。それは患者さん自身であっても、そのご家族であっても同じだ。誰1人置いていかない。

私は全国の調剤薬局を飛び回るうちに、1つの疑問を抱くようになった。

「ポンッと1日だけ手助けに来たぐらいで、この薬局の根本にある問題は解決されるのだろうか」

地域に根差した薬局として機能していくためには、もっと深く問題を追究・分析し、「将来どうしていきたいのか」を本質的に考えていく必要がある。

そこまで伴走して初めて、「補助輪が取れた自転車のように、自分たちの力で自走できるようになるのではないか」。そう考えるようになった。

だから、私の「支援」のカタチは他の同僚とは違った。今見えている問題、従業員が抱えている問題、後回しにしてきた問題。すべてを現場の従業員が主体となり、「自分ごと」として考えていくための手助けをするのだ。

私のやり方はこうだ。

・少しずつ話題に問題点を出して、従業員の議論に火を付ける
・「でも、どうやって?」と立ち止まったら、そっとヒントを出す
・従業員がその仕事に面白さを感じてきたら、少しずつ距離を置く
・自分たちで考え、解決したり、代替案を出せるように導く
・いつの間にか自分の「仕事」として自立していく
・そこで出た成果については、正しく評価してもらうように上層部に掛け合っておく

ここまで来たら、あとは放っておいても勝手に走る。この過程を経ると、仕事への熱量がまるで違う。もっと良くならないか、患者さんに届くようにするためにはどうしたら良いのかと、とことん深掘りし、新たなニーズを探ってアップデートしていく。

そして、正当に評価される。自分が頑張ってきたものが「数字」という成果になって表れるのだ。これほど嬉しいことはない。補助輪なしの自転車で力強く走り出すその背中を、私は何度も頼もしく見送ってきた。

突然の「双極性障害」が教えてくれたこと

そんな経験の中で、私はメンタルの不調を来してしまった。診断は「双極性障害」。躁状態とうつ状態を不定期に繰り返す、非常に厄介な病気だ。

これまでずっと「他人」と向き合い伴走してきたのに、いざ「自分」と向き合おうとすると、どうしていいか分からない。今までの自分が憎らしく思え、周囲の誰もが眩しく、羨ましくて仕方がなかった。

「昔と同じように働きたい」

何度もそう願った。でも、それはもう叶わない。なぜなら、無理に昔の働き方に戻ろうとすることは、「病気になる前の、限界を超えていた自分」に逆戻りすることを意味するからだ。

そのことに気づかせてくれたかかりつけ医の言葉が、私の心に深く響いた。そこから私は、人生で初めて「私自身」ととことん向き合う覚悟を決めた。

病気を受け入れ、自分らしい復職を叶える

自分という人間を理解することから始め、周囲の環境や人間関係を整理し、必要な支援の手を借りること。 今度は私が、人と、地域と、社会に助けられながら、新しくつながる番だった。

主治医も驚くほどのスピードで、私は寛解状態へと向かった。もちろん完治したわけではない。しかし、どれくらい負荷がかかれば症状が出てしまうのか、その「限界のライン」を私はもう知っている。

それを超えないように計画を立て、情報を集め、勤務条件を工夫して、今は無事に復職を果たしている。実は、転職エージェントには「復職は絶望的だ」と言われていた。

行きたくもない会社に何通も履歴書を送り、面接に臨む日々もあった。 でも、こんな私に魅力を感じ、「いっしょに頑張っていきましょう」と温かく手を差し伸べてくれた会社が現れた。

転職活動中、「また病気と折り合いをつけられない環境で、我慢しながら働かなければならないのか」と怯えていた私に、その会社は「自分のペースでいい」と認めてくれた。これもまた、私への「伴走」だった。

どんな仕事も、すべては「人」を介して成り立つ。その人を見ずに、一体何を見るのだろう。ふと、新人時代に思い描いていた大切な夢を思い出した。

「自分で薬局を経営する」

私の夢を加速させる、SHElikesとの出会い

いまの時代、個人が1つの薬局を経営するのは決して簡単ではない。しかし、地域に必要とされる場所であることは確実だ。私の構想は、こうだ。

「カフェを併設した、誰もがホッと息をつける薬局」

カフェスペースでは、持病のある方や健康志向の方向けのヘルシーメニューから、こだわり抜いた定食、スイーツを提供する。営業外の時間には、サロンやワークショップを開催し、地元の老若男女が集う場所にしたい。

従業員には、調理師、栄養士、パティシエ、薬剤師、医療事務、登録販売者。そこに社会福祉士やケアマネジャーがいたっていい。「ここに来れば、いつでも安心できる」そんな、家以外の“心の拠り所”を作りたいのだ。

子ども食堂やお料理教室など、なんだって挑戦したい。私のワクワクする妄想は止まらない。 私が私の価値を最大限に発揮できるとしたら、それは「巻き込み力」だ。

いろんな人を巻き込んで、最高の仲間になる。1つの未来を目指して、たくさんの人が力を出し合う空間。

『今日は薬局のカフェでフラワーアレンジメントをするの』。

そんな会話が街に溢れたら、どんなに素晴らしい毎日だろう。 最期まで「自分らしく」生きたいと願う気持ちは、誰しも同じ。そこに年齢なんて関係ない。

世代を超えた人たちが交流し、ジェネレーションギャップさえも笑顔で楽しむ。1つの作品を作り上げ、褒め合い、笑い合う。そんな温かい空間を提供できれば、きっと私の人生にも大好きな華が咲く。

「ただのきれいごと」「理想の妄想」で終わるかもしれない。かつての私なら、そうやって諦めて、自分の気持ちに我慢をしていただろう。

けれど、SHElikesのコーチングを受ける中で、私のぼんやりしていた夢の輪郭が、少しずつ、でも確実に形になっていった。自分の「したいこと」「やりたいこと」を言葉にし、それを否定せず、いっしょに実現に向かって並走してくれる。私にとってSHElikesは、夢の補助輪を外し、自走するまで支えてくれる最高の「伴走者」なのだ。 

だからこそ、 SHElikes(シーライクス)を始めてから、この夢が不思議と「本当に実現できる」気がしてならないのだ。可能性が、胸の中でむくむくと膨らみ続けている。

さて、今日は何について学ぼうか。夢をただの妄想で終わらせないための「マーケティング」も、世界観を形にする「ブランディング」も、ここにはすべて揃っている。

変わりたいけれど一歩が踏み出せない、キャリアに漠然とした不安を抱えているあなたへ。私の眠っていた夢を加速させ、我慢しない生き方を教えてくれた場所。それが、SHElikesだ。

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本記事はSHElikesの受講生を対象とした「SHEライターコンペ」の採用作品です。(執筆者 sa1mon(サーモン)さん)

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