

インターネットやスマートフォンの普及により、Webマーケティングの需要が高まっている昨今。Web関連の職やマーケターの仕事に興味を持ち、Webマーケティング資格取得を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?本記事では、代表的な11のWebマーケティング資格の紹介とともに、資格の必要性や取得方法の詳細について解説します。
Webマーケティング資格とは
Webマーケティング資格とは、Webを活用して利益拡大を目指す「Webマーケティング」に役立つ資格を指します。まずはWebマーケティングの専門資格の定義と、その重要性について把握しておきましょう。
Webマーケティング資格の定義と重要性
Webマーケティング資格は、主に以下の3タイプに分類できます。
- マーケティング知識の証明となる資格
- 解析・統計に関する知識の証明となる資格
- 広告運用やSEOに関する知識の証明となる資格
Webマーケティング資格の取得は、Webビジネス全体への理解や解析ツールに関する知識の習得、広告運用スキルの習得につながります。ただし、資格は必須ではないため、保有していなくてもマーケターとして活躍することは可能です。
Webマーケティング資格のメリットとデメリット
Webマーケティング資格には、以下のようなメリットがあります。
- 習得したマーケティングスキルを客観的に証明できる
- マーケターとしての信頼獲得につながる
- 転職やキャリアアップに活かせる
- Web関連スキルと掛け合わせで仕事の幅を広げられる
視覚化が難しいWebマーケティングスキルを資格として形にすることで、専門知識のアピールやマーケターとしての自信につながる可能性が考えられます。
一方、Webマーケティング資格の習得にはデメリットも…
- 実務との関連性が薄い資格を取得してしまう
- 学習や受験に費用がかかる
Webマーケティング資格は、「広告運用」「データ解析」など分野が細かく分かれているため、一種類でマーケティング知識を網羅できるわけではありません。そのため、本当に自分に必要な知識・スキルをカバーできる資格であるか十分に検討してから取得に臨むことが大切です。
Webマーケティングの資格の種類
Webマーケティングに直接関連する資格は、いずれも企業や一般社団法人等が主催する民間資格です。難関資格のような厳しい受験資格は設けられていないため、比較的取得しやすいとされています。ここでは、代表的な資格として11のWebマーケティング資格をご紹介します。
※表内価格表示はすべて税込です
※各資格の詳細は2023年7月時点の最新情報をもとに作成しています
マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティング・ビジネス実務検定は、マーケティング実務の知識を総合的に判定するための検定試験です。資格取得を通して、幅広い業種・業務に共通するマーケティング理論だけでなく、実務知識や時事情報、実務事例など、即仕事に役立てられる知識を身につけられます。
試験は、A級・B級・C級の3レベルに分けられ、A級合格者には「IMSSA認定マーケティング実務士」の資格が与えられます。
詳細 | |
---|---|
主催団体 | 国際実務マーケティング協会(IMSSA) |
受験方法 | A級:会場受験 B級・C級:Web受験 |
受験料 | A級:12,760円 B級:7,480円 C級:6,270円 |
公式サイト | https://www.marke.jp/ |
IMA(Internet Marketing Analyst)検定
IMA(Internet Marketing Analyst)検定は、インターネット集客の実践や結果のアクセス解析、改善レポート作成・実行などの実務スキルに重きを置いた資格です。資格取得をとおして、サイト分析から広告運用に至るまで、全業種・全職種で活用可能なWebマーケティング全般の知識を学べます。
eラーニングでの学習期間は約2ヶ月。マーケティングの基礎から学ぶStandardと、成果獲得に向けたより深いノウハウを学ぶProfessionalの2コースが設定されています。
詳細 | |
---|---|
主催団体 | 一般社団法人IMA研究所 |
受験方法 | オンライン受験(講義+試験) ※試験のみの受験不可 |
受験料 | 各コース:19,800円 |
公式サイト | https://ima-kentei.jp/ |
ウェブ解析士
ウェブ解析士は、正しいデータの読み取り・判断を行うスキルを身につけた者に与えられる資格です。試験の出題は「ウェブ解析士認定試験公式テキスト」から。公式テキストに加えて、デジタルマーケティングへの理解を深めたうえで資格取得を目指せる「ウェブ解析士認定講座」も設けられています。
学習開始から資格取得までの目安期間は、ウェブ業界経験者で1ヶ月~1ヶ月半(15時間~30時間)、未経験者で2ヶ月~4ヶ月(40時間~60時間)です。
詳細 | |
---|---|
主催団体 | 一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA) |
受験方法 | インターネット受験 |
受験料 | 認定講座受講:33,000円 ※公式テキスト4,400円+講座費用11,000円+試験費用17,600円 試験のみ:22,000円 ※公式テキスト4,400円+試験費用17,600円 |
公式サイト | https://www.waca.associates/jp/ |
ネットマーケティング検定
ネットマーケティング検定は、Webマーケティングの特性などの基本的な内容から、広告やWebサイトの構成・リサーチ・関連法規までを網羅的に学べる検定試験です。試験では、基礎的知識が問われるほか、実際に業務を想定した事例問題も出題されます。
過去の合格者は、IT企業の広報担当や営業担当、デジタル戦略担当、弁護士などさまざま。初学者が合格レベルに達するまでの学習時間の目安は、15時間とされています。
詳細 | |
---|---|
主催団体 | 株式会社サーティファイ |
受験方法 | リモートWebテスト |
受験料 | 6,000円 |
公式サイト | https://www.sikaku.gr.jp/nm/ |
Web検定
Wen検定は、Webに関わるすべての人を対象に、基本的なリテラシーの習得を目的とした資格です。認定資格として、以下の4つが設けられています。
- Web検定 Webリテラシー
- Web検定 Webデザイン
- Web検定 Webディレクション
- Web検定 Webプロデュース
リテラシーに関する知識のほか、より専門的なデザイン・ディレクション・プロデュースといった3分野の知識習得も可能となっています。
詳細 | |
---|---|
主催団体 | 公益社団法人 全日本能率連盟(AFMO) |
受験方法 | Web受験(CBT方式) |
受験料 | 10,800円 ※書籍代別途 |
公式サイト | https://webken.jp/ |
Webアナリスト検定
Webアナリスト検定は、Webマーケティングに欠かせない解析ツール「Google Analytics」を体系的に学べる資格試験です。ツールの使い方から、市場動向やトレンド情報などの解析・活用方法まで、今すぐ使える実践的な知識を身につけられます。
実践に役立つ分析の具体的な方法や手順、考え方を学べる講座は、1回わずか5時間。これまでGoogle Analyticsに触れたことのない方でも実務でのイメージをつかめるよう、実際の画面上で解説が行われます。
詳細 | |
---|---|
主催団体 | 一般社団法人日本Web協会(JWA) |
受験方法 | オンラインテスト ※講義もオンライン開催 |
受験料 | 講座+試験:22,325円 試験のみ:17,600円 再試験:5,500円 |
公式サイト | https://www.jwa-org.jp/webanalyst/ |
統計検定
統計検定は、Webマーケティングにとどまらない、広い範囲での統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。国際的に需要が高まっている「データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力」を認定する資格として、2011年に発足しました。
統計検定は、1級・準1級・2級・3級・4級の5レベルに分けられています。このほか、統計に関する基礎知識と活用力を問われる統計調査士などの資格も設けられています。
詳細 | |
---|---|
主催団体 | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
受験方法 | 会場受験(CBT方式) |
受験料 | 1級:一般8,000円/学生6,000円 準1級:一般8,000円/学生6,000円 2級:一般7,000円/学割5,000円 3級:一般6,000円/4,000円 4級:一般5,000円/3,500円 |
公式サイト | https://www.toukei-kentei.jp/ |
Google広告認定資格
Google広告認定資格は、Google 広告に関する基礎および上級レベルの知識を持った個人にGoogleが授与するプロフェッショナルの認定基準。つまり、Google広告のスペシャリストを認定する資格です。
取得可能な資格は、「検索広告」や「広告ディスプレイ」「広告測定」など全11種類。特に、デジタル広告のパフォーマンスを測定・最適化できる「広告測定認定資格」は、Webマーケティングに役立つスキルの習得につながるとして注目されています。いずれの資格も、無料で受験・学習プログラムの受講が可能です。
詳細 | |
---|---|
主催団体 | |
受験方法 | Webテスト |
受験料 | 無料 |
公式サイト | https://support.google.com/google-ads/answer/9702955?hl=ja&visit_id=638256080378953897-3664925220&rd=1 |
Googleアナリティクス個人認定資格
Googleアナリティクス個人認定資格は、「Google Analytics」の知識を一通り身につけられる、世界共通の認定資格です。
コースは、アカウントの作成などの初歩から学べる「Google アナリティクス初級者向けコース」と、収集したデータのレポート作成方法などを学べる「Google アナリティクス上級者向けコース」の2種類。Google Analyticsの見方や、解析結果の活用方法などを網羅的に学びたい方に適した資格です。
詳細 | |
---|---|
主催団体 | |
受験方法 | Webテスト |
受験料 | 無料 |
公式サイト | https://skillshop.exceedlms.com/student/path/2938-google-analytics-individual-qualification |
統計士・データ解析士
統計士・データ解析士は、厳しい審査を通過した文部科学省認定の社会通信教育を受講することで取得できる資格です。統計士の認定を受けられる「現代統計実務講座」では、統計に関する基本的な知識や、数値を実務に活用するための実践力を身につけられます。
データ解析士資格を取得できる「多変量解析実務講座」では、Excelプログラムを操作しながら、解析の原理や手法を体感的に理解することが可能です。
詳細 | |
---|---|
主催団体 | 一般財団法人実務教育研究所 |
受験方法 | 通信講座+スクーリング |
受験料 | 統計士:入学金5,000円/ 受講料54,800円 データ解析士:入学金5,000円/受講料49,500円 |
公式サイト | https://www.jitsumu.or.jp/ |
ANA公認 ファンダメンタルマーケター
ANA公認ファンダメンタルマーケターは、直接的にユーザーに広告・販売を行うダイレクトマーケテイングを体系的に学ぶことで取得できる資格です。Webマーケターに必要なデジタルメディアや分析に関する知識やスキルを、6ヶ月間のeラーニング講義で集中的に習得できます。
IT最先端のアメリカの豊富な事例と理論を用いたプログラムを日本で気軽に学べる機会として、活用するのもよいでしょう。
詳細 | |
---|---|
主催団体 | 全米広告主協会(ANA) |
受験方法 | eラーニング+Web受験 |
受験料 | 10モジュール:220,000円 5モジュール:110,000円 3モジュール:66,000円 ※すべて受験料込み |
公式サイト | https://www.fusion.co.jp/dcfm/about/ |
Webマーケティング資格の取得方法
Webマーケティング資格のシステムや資格取得のための講座は、民間企業や一般財団法人などによって運営されています。そのため、試験の際に求められる知識や登録方法、資格取得に要する期間もさまざまです。ここでは、各資格の特徴をふまえて、Webマーケティング資格の取得方法について解説します。
試験内容と合格基準
Webマーケティング資格の試験内容は、各資格が習得を目的としている知識・スキルの種類によって異なります。たとえば、「Google広告認定資格」や「Googleアナリティクス個人認定資格」ではGoogleが提供するツールに関する知識、「マーケティング・ビジネス実務検定」では、今すぐ実務に活用できる事例などが求められます。また、合格基準にも、統一されたルールはありません。ちなみに、「ネットマーケティング検定」の合格基準は得点率70%以上、「マーケティング・ビジネス実務検定B級・C級」の合格基準はそれぞれ70%、80%となっています。
認定資格の取得手順と登録方法
取得手順は、大きく以下の3つに分けられます。
- 試験のみ受験(例:ネットマーケティング検定)
- 講座+試験(例:IMA検定)
- 講座修了で自動的に取得(例:統計士)
試験のみの資格でも、通信講座や対策テキストが用意されているケースが多いため、勉強法に悩むことは少ないでしょう。
資格登録は、多くの場合試験合格後に自動的に行われ、紙の認定証やデジタル認定証が届くシステムとなっています。ただし、有効期限が設けられている資格もあるため、更新の有無についても確認しておくのがおすすめです。
資格取得に関連する費用と期間
本記事でご紹介した11資格の取得にかかる費用は、無料~220,000円。講座受講が必須の資格のほうが、取得に関連する費用がかさむ傾向にあります。
学習開始から取得までの期間にも、大幅な差があります。たとえば、統計士の標準学習期間は8ヶ月、ANA公認 ファンダメンタルマーケターの受講期間は6ヶ月となっており、ある程度まとまった期間が必要です。対して、学習時間の目安が5時間、15時間といった、短期間に集中して学習を進められる講座もあります。
Webマーケティング資格の学習リソース
Webマーケティング資格取得のための学習法として、大きく3つの方法が考えられます。
- 公式オンライン講座の受講
- 参考書籍や学習ガイドの活用
- 実践による学習
それぞれの特徴を解説します。
公式トレーニングプログラムとオンラインコース
一部のWebマーケティング資格では、講座の受講と受験がセットになっているほか、取得に役立つオンライン講座が開催されている場合があります。たとえば「マーケティング・ビジネス実務検定」の主催団体である国際実務マーケティング協会では、通信講座だけでなく、対面でより深く学べる通学講座も用意されています。公式の講座は、資格取得に必要な知識・スキルにフォーカスした内容になっているため、効率的に学習を進められるでしょう。
参考書籍や学習ガイド
参考書籍や学習ガイドでの勉強も、資格内容に合った効率的な学習の手助けになります。たとえば、「ネットマーケティング検定」の公式サイトでは、公式テキストや過去問題集が学習教材として紹介されています。
また、一般書籍やインターネット、YouTubeなどの無料動画からの情報収集も学習法の一つ。Webマーケターとして活躍しているインフルエンサーの無料メルマガなどからも、マーケティングを学ぶうえでのヒントがもらえるかもしれません。
ハンズオン実践やプロジェクトベースの学習
Webマーケティングスキルの習得には、広告運用や解析作業など実践での学びが重要です。Webマーケティング関連の業務は、比較的未経験者の求人が充実しているため、資格取得前であっても思いきって挑戦することで、実務から学べる可能性は十分に考えられます。
また、書籍などで学んだ知識を活かして、自身でメディア運用を行うのも一つの方法。ブログに解析ツールを導入してPV数を分析したり、SNS運用を行ったりしながらアウトプットすることで、自然に知識やスキルを積み上げられるでしょう。
Webマーケティング資格の価値とキャリアへの影響
Web施策が必須となりつつある今、Webマーケティングの需要とマーケターが活躍できる場所は増え続けています。このような時代において、Webマーケティング資格の取得にどのような効果を期待できるのでしょうか?ここでは、資格の価値やキャリアアップへの影響などについて解説します。
資格保有者の市場価値と求人動向
Webマーケティング資格は民間資格であり、信頼性の高い国家資格などと異なり、求人の条件に挙がることは少ないのが現状。ちなみに、マーケティング関連の国家資格といわれる中小企業診断士の場合、マーケティング強化を狙う企業の求人で「歓迎する資格」として提示されるケースも多々あります。
以上のことから、知識やスキルの証明やアピール材料にはなるものの、市場価値としてはそれほど高くないと考えられます。しかし、未経験からのキャリアチェンジを目指す場合は、資格取得が実績の少なさをカバーする熱意を採用担当社に伝える要素となり得るかもしれません。
資格取得によるスキルセットの強化と成長機会
Webマーケティングスキルは、さまざまなWeb関連スキルと組み合わせられます。たとえばWebデザイナーの場合、解析や市場データの収集を行い、ターゲット層に刺さるデザインを提案することで、売上向上や認知拡大を図れる可能性があります。Webライターであれば、解析や戦略立てなどのスキルを身につけることで、既存記事のリライトや新規記事のキーワード選定なども任せられ、ディレクターへのステップアップにつながるかもしれません。Webマーケティング資格取得で得たスキルをうまく活用することで、求められた以上のことができる人材として認められ、成長機会につなげられるでしょう。
キャリアパスや昇進への影響
Webマーケティング資格は、マーケティング関連職への転職やキャリアアップにプラスにはたらく可能性があります。未経験からの転職でも、資格を保有していることで、マーケティング職への意欲や知識の証明としてアピール要素にできます。また、資格取得で得た知識やスキルによってプロジェクトを成功に導ければ評価につながり、昇進に一歩近づける可能性も。
ただし、実際に求められるのは資格の有無ではなく、習得した知識やスキルを実践に活かす力です。Webマーケティング資格取得がインプットのみで終わらないよう、積極的にアウトプットし「役立つスキル」に昇華させましょう。
よくある質問
最後に、Webマーケティング資格に関するよくある質問をご紹介します。
資格取得にはどれくらいの時間がかかりますか?
学習時間5時間で受験できるものや、8ヶ月間の講義受講が必要なものなど、資格内容や講義の有無によって異なります。
Webマーケティング資格の費用はどれくらいですか?
無料で学習プログラムの受講と受験が可能な資格から、受講費用と受験料込みで220,000円かかる資格まで、費用にも幅があります。
Webマーケティング資格の有効期限はありますか?
特に有効期限が設定されていない資格もあれば、毎年更新のためのテストが行われ、不合格の場合失効する資格もあります。
Webマーケティング資格は必須ですか?
資格がなくてもWebマーケターとしての活動やマーケティング職への就職・転職は可能です。
Webマーケティング資格取得は知識&スキル習得の一つの手段
Webマーケティング資格は、Webマーケターとしての活動において必須ではありません。重要なのは資格の有無ではなく、身につけた知識やスキルを実践に活かす力。Webマーケターとしての一歩を踏み出したい方には、マーケターとして身につけておきたい基礎知識を実践的に学べる女性向けのキャリアスクール「SHElikes」のWebマーケティングコースもおすすめです。学びと実践を繰り返しながら、SHElikesでWebマーケターとして着実にステップアップしていきませんか?
女性向けキャリアスクールSHElikes無料体験レッスンはこちら