Webデザイナーになるために、あるいはWebデザイナーとしてステップアップするために、資格が必要か迷う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、Webデザイナーになるにあたって資格を取るメリット・デメリットを説明します。また、おすすめの資格を9つ厳選しました。一般的に多く取られている資格については、より詳細にお伝えしています。
この記事が、Webデザイナーとしてどのように働いていくかの指針になれば幸いです。
Webデザイナーになるのに資格は必要か
結論からお伝えすると、Webデザイナーとして働くにあたって、資格は必須ではありません。資格を取らなくても、Webデザイナーとして稼いでいくことは可能です。
しかし、資格があれば役に立つことももちろんあります。この記事を通して、自分は資格を取るべきなのか、取らないでおくべきなのか、ご自身の希望や将来の目標に合わせて判断してみてください。
Webデザイナーに必要なスキル
Webデザイナーになるにあたって、以下のようなスキルを身につければ、仕事で生かしたり、転職時にアピールしたりできるでしょう。
- 交渉力
- 営業力
- コミュニケーション力
- スケジュール管理力
- デザインに関する知識
- デザインツールを使いこなすスキル
上記のようなスキルを身につければスムーズな業務が可能になり、資格がなくてもWebデザイナーとして活躍できる可能性が高まります。
しかし、資格を取得すればスキル保有の証明になり、単価の交渉をするときや仕事の受注を目指すときの武器になるでしょう。自分のスキルにより自信が持てるようにもなるため、資格取得には良い面もあるといえます。
Webデザイナーとして働くために資格をとるメリット・デメリット
ここでは、Webデザイナーが資格を取得するメリットとデメリットについて解説します。それぞれチェックし、資格を取るか否かを判断する際の参考にしてみてください。
メリット
まず、資格を取る場合のメリットは以下の通りです。
- 就職・転職など職探しの際にアピールできる。
- 学んだ知識を仕事に生かせる。
- 能力を証明できるため、自分の技能に自信が持てる。
- 勉強するモチベーションやきっかけになる。
資格はスキルがあることの客観的な証明になるため、就職や転職をする際のアピールポイントになります。未経験からWebデザイナーを目指す方や実績の少ない方などは、資格を取得することで就職や転職活動をスムーズに進めやすくなるかもしれません。
デメリット
一方で、資格を取るデメリットは以下があげられます。
- コストや手間がかかる。
- 実務で経験を積みさえすれば、資格の勉強は不要な場合がある。
- 自分に必要のない範囲の知識まで勉強しなければならない場合がある。
資格は、最速でWebデザイナーを目指す場合には必要がないこともあります。資格がなくても活躍している方は多くいますし、十分な知識を身につけて経験を積めば、資格なしでもWebデザイナーとしての道を歩めるようになるでしょう。
Webデザイナーにおすすめの資格9選
ここからは、Webデザイナーにおすすめの以下9つの資格を紹介します。
- ウェブデザイン技能検定
- Webクリエイター能力認定試験
- Webデザイナー検定
- HTML5プロフェッショナル認定資格
- アドビ認定アソシエイト(ACA)or アドビ認定エキスパート(ACE)
- Photoshopクリエイター能力認定試験
- Illustratorクリエイター能力認定試験
- 色彩検定
- マルチメディア検定
それぞれの費用や難易度、資格取得のメリットなどを解説するので、自分に合う資格を見つけてみてください。
ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、国家検定制度である技能検定制度のひとつとして、厚生労働省より指定試験機関の指定を受け、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施するものです。
試験は実技および学科試験で実施され、ウェブデザインに関する知識・技能、実務能力等が問われます。
受験費用(税抜) | ・1級 学科:8,000円/実技:25,000円(実技はペーパー実技含む) ・2級 ・3級 |
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受験資格 | 1級 【実技試験】 ・1級の技能検定において、学科試験に合格した者(※1) 【学科試験】 ・7年以上の実務経験(※2)を有する者 ・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業または普通職業訓練修了(※3) 後、5年以上の実務経験(※2)を有する者 ・大学(※3)卒業後、3年以上の実務経験(※2)を有する者 ・高度職業訓練修了(※3)後、1年以上の実務経験(※2)を有する者 ・2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験(※2)を有する者 2級 3級 ※1:当該実技試験が行われる日が、学科試験の合格日より2年以内である場合に限る。 |
合格基準(難易度) | 合格率は年度や開催回により変動があるが、概ね次の通り。 1級:10-20%、2級:30-40%、3級:60-70% |
ウェブデザイン技能検定ではWeb制作に必要な幅広い知識やスキルが問われるため、試験の合格に向けた勉強をすることでWebデザインに関する知識を深められます。また、試験に合格するとWebデザイン技能士の肩書きを得られるので、就職や転職活動をする際にアピールできるでしょう。
ウェブデザイン技能検定の勉強方法
ウェブデザイン技能検定のおすすめの勉強方法は、参考書やオンライン練習問題などの活用です。最適な参考書はウェブデザイン技能検定の公式サイトに掲載されており、オンライン練習問題はこちらから受けられます。
ある程度の知識やスキルを習得したら、過去問題にチャレンジするのもよいでしょう。
Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験は、Webクリエイターに必要とされるHTML・CSSに関する基本的な知識や、Webサイト制作のデザイン能力、Webページのコーディング能力を認定する試験です。世界標準に対応した初めての試験で、Web関連企業、広告代理店、専門学校、大学、高校、職業訓練校から個人まで、幅広く受験されています。
受験費用(税抜) | ・エキスパート 6,819円 ・スタンダード |
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受験資格 | ・エキスパート 学歴、年齢等に制限はなし ・スタンダード |
合格基準(難易度) | 合格率:91.4%(2020年度平均合格率) |
Webクリエイター能力認定試験を取得するメリットの1つは、学習を通じてWebクリエイターに必要な知識を体系的に身につけられることです。また、合格率が比較的高いため、履歴書に資格を記載したい方は取得を検討してみてもよいでしょう。
Webクリエイター能力認定試験の勉強方法
Webクリエイター能力認定試験に向けた勉強をするときは、公式テキストや問題集を活用するのがおすすめです。また、公式HPにはサンプル問題があるので、受験するか否か迷う方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
Webデザイナー検定
Webデザイナー検定は、コンセプトメイキングなどの準備段階から、Webページデザインなどの実作業、テストや評価、運用まで、Webデザインに必要とされる多様な知識を測る試験です。
Webデザイナー検定はCG-ARTS検定のひとつで、ほかにはマルチメディア検定、CGクリエイター検定、CGエンジニア検定、画像処理エンジニア検定があります。それぞれ併願も可能です。
受験費用(税抜) | ・エキスパート 6,091円 ・ベーシック |
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受験資格 | ・エキスパート 制限はなし(誰でも受験可能) ・ベーシック |
合格基準(難易度) | ・エキスパート 69.7%(2021年度平均) ・ベーシック |
Webデザイナー検定を取得すると、Webデザインに関する知識やスキルを保有していることの証明になります。Web制作会社に就職・転職したい方やフリーランスのWebデザイナーを目指したい方などは、取得することで就職・転職活動や案件の獲得を有利に進めやすくなるといえます。
Webデザイナー検定の勉強方法
Webデザイナー検定は、テキストや問題集を活用すれば独学でも取得を目指せます。また、公式HPには合格者の声が掲載されているため、目を通すことで資格を取得したあとのイメージが湧いてくるでしょう。
HTML5プロフェッショナル認定資格
HTML5プロフェッショナル認定とは、HTML5、CSS3、JavaScriptなど最新のマークアップに関する技術力と知識を認定する認定制度です。受験者の多くは、Web技術者、Webデザイナー、コーダー、Webサービス運用者、Webアプリ開発者などの仕事をしています。
マルチデバイスに対応したWebコンテンツ制作の基礎の実力を測るレベル1と、システム間連携や最新のマルチメディア技術に対応したWebアプリケーションや動的Webコンテンツの開発・設計の能力を認定するレベル2で構成されています。
認定の有効期限は5年間です。
受験費用(税抜) | ・認定試験 レベル1 15,000円 ・認定試験 レベル2 |
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受験資格 | ・認定試験 レベル1 特になし ・認定試験 レベル2 |
合格基準(難易度) | 非公開 |
HTML5プロフェッショナル認定を取得すると、HTML5やCSS、JavaScriptなどを実践的に扱えるスキルがあることの証明になります。WebデザイナーやWebエンジニアとして活躍したい方は、取得しておくと仕事に役立てられるでしょう。
HTML5プロフェッショナル認定資格の勉強方法
HTML5プロフェッショナル認定に向けた勉強をする際は、公式HPのサンプル問題を活用してみてください。レベルや分野別に多数の問題があり、すべて無料で利用できるので、試験のレベルを知りたい方、今の実力を試したい方におすすめです。あわせて、テキストや参考書などで学習するのもよいでしょう。
アドビ認定プロフェッショナル
アドビ認定プロフェッショナル(Adobe Certified Professional)は、アドビが公認する国際認定資格で、Adobe Creative Cloudを活用するスキルがあることを証明します。
社会人としてのキャリアをスタートするとき、キャリアアップやキャリアチェンジを考え始めたとき、生徒や学生が就職準備に向けて自信をつけたいときなどにぴったりの資格です。
受験費用(税抜) | ・Photoshop (一般価格)9,800円 (学割価格) 7,800円 ・Illustrator ・Premiere Pro |
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受験資格 | ・Photoshop 特になし ・Illustrator ・Premiere Pro |
合格基準(難易度) | 非公開 |
アドビ認定プロフェッショナルを取得すると、PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールを使えることを証明できます。Webデザイナーとしての実務経験やポートフォリオが少ない方は、取得しておくことで就職や転職活動をする際にアピールできるでしょう。
アドビ認定プロフェッショナルの勉強方法
アドビ認定プロフェッショナルの合格に向けた勉強をする際は、公認の対策教材を活用するのがおすすめです。より実践的な知識やスキルを身につけたい方は、スクールでプロから学ぶのもよいでしょう。
Photoshopクリエイター能力認定試験
Photoshopクリエイター能力認定試験は、Photoshopに関する写真・画像の加工編集スキルを認定する試験です。Photoshopを用いた画像ファイルの作成や、問題の指示に従いひとつの作品を作り上げる表現力など、コンテンツ制作に関するスキルを認定します。
受験費用(税抜) | ・エキスパート 7,819円 ・スタンダード |
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受験資格 | ・エキスパート 学歴、年齢等に制限はなし ・スタンダード |
合格基準(難易度) | 合格率73.9%(2020年度平均合格率) |
Photoshopクリエイター能力認定試験を取得するメリットの1つは、学習を通じて実際の業務に生かせる知識やスキルの習得を目指せることです。試験では新規ドキュメントから1つのグラフィックコンテンツを作り上げる問題が出題されるため、試験の合格に向けた勉強をするなかで実践的な知識とスキルを身につけられるといえます。
Photoshopクリエイター能力認定試験の勉強方法
Photoshopクリエイター能力認定試験の勉強方法に迷う方は、公式テキストと問題集を活用してみてください。また、サンプル問題に挑戦してみるのもよいでしょう。テキストや問題集にひと通り目を通したら、ひたすらPhotoshopを触って慣れるのみです。参考書を見なくても操作できるように反復練習してください。
Illustratorクリエイター能力認定試験
Illustratorクリエイター能力認定試験は、世界基準のグラフィックツールであるIllustratorの活用能力を測定・評価する資格検定試験です。
Illustratorを用いたDTPファイル及びWebデザインパーツの作成や、問題の指示に従いひとつの作品を作り上げる表現力など、コンテンツ制作に関するスキルを認定します。
受験費用(税抜) | ・エキスパート 7,819円 ・スタンダード |
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受験資格 | ・エキスパート 学歴、年齢等に制限はなし ・スタンダード |
合格基準(難易度) | 72.8%(2020年度平均合格率) |
Illustratorクリエイター能力認定試験を取得しておくと、Webデザイン業界への就職を目指すときやフリーランスのWebデザイナーとして活躍したいときなどに役立ちます。また、資格の取得に向けた勉強をするなかでIllustratorに関する実践的な知識やスキルを身につけられるのもメリットです。
Illustratorクリエイター能力認定試験の勉強方法
Illustratorクリエイター能力認定試験の合格に向けた勉強をする際は、公式テキストと問題集を活用してみてください。また、サンプル問題のダウンロードも可能なので、実際の試験のイメージをつかみたい方はチャレンジしてみるとよいでしょう。
色彩検定
色彩検定は、文部科学省後援の公的資格です。色の基礎や配色技法などの知識が身につくため、Webデザイナーはもちろん、ファッション系やインテリア系などの仕事をしている方も多く受験しています。
受験費用(税抜) | ・1級 15,000円 ・2級 ・3級 ・UC級 |
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受験資格 | 制限はなし。誰でも、何級からでも受検可能。 |
合格基準(難易度) | 2022年度の合格率は以下の通り ・1級 39.6% ・2級 ・3級 ・UC級 |
色彩検定を取得すると、Webデザインをする際に魅力的な配色ができるようになります。また、色に関する知識はファッションや広告など幅広い業界で生かせるため、資格を取得することで今後のキャリアの幅が広がる可能性もあるでしょう。
色彩検定の勉強方法
色彩検定に向けた勉強には、公式テキストの活用がおすすめです。図版や写真が豊富に使われているため、内容を直感的に理解しやすいでしょう。色彩検定メールマガジンに登録すると検定に関する情報や試験問題の解説などを受け取れるので、ぜひチェックしてみてください。
マルチメディア検定
マルチメディア検定では、マルチメディアの基礎やコンピュータの仕組み、デジタルコンテンツ、知的財産権など、幅広い知識が問われます。試験はベーシックとエキスパートの2種類です。
ベーシックでは、マルチメディアの扱い方とインターネットを用いたコミュニケーション技術に関する基礎的な知識を測ります。一方で、エキスパートはマルチメディアに関する専門的な知識を保有し、アプリや製品の開発に知識を応用できるか否かをチェックする試験です。
受験費用(税抜) | ・ベーシック 5,600円 ・エキスパート |
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受験資格 | 制限はありません |
合格基準(難易度) | 平均合格率は以下の通り ・ベーシック 高校:50%/専門学校・大学:65%/社会人:80% ・エキスパート |
マルチメディア検定を取得することで得られるメリットの1つは、マルチメディアに関する知識やスキルの保有を証明できることです。Webデザイナーとしてメディアに関わる仕事をする方は、取得を検討してみてください。
マルチメディア検定の勉強方法
マルチメディア検定の勉強方法に迷う方は、検定に対応したテキストや公式問題集を活用してみてください。ベーシック向けのテキストは初心者でも理解しやすいよう解説されているため、これからマルチメディアの学習を始める方でもスムーズに勉強を進められるでしょう。
資格を取得せずにWebデザインを学ぶ方法は?
最後に、資格を取得せずにWebデザインを学ぶ方法を3つ紹介します。
- 独学でWebデザインに関する知識やスキルを身につける
- 会社員として経験を積む
- スクールで学ぶ
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
独学で学ぶ
1つ目は、独学でWebデザインの知識やスキルを身につける方法です。テキストや参考書などを活用してWebデザインについて学ぶため、コストを抑えやすいといえます。
ただし、独学の場合は学習スケジュールを自分で立てる必要があるうえ、疑問点が出てきても自力で解決することが求められる点は知っておきましょう。
なお、以下の記事では独学でWebデザインを学ぶ方法を解説しているので、チェックしてみてください。
会社員として経験を積む
会社員として働くことでWebデザインを学ぶ方法もあります。仕事をしながらWebデザインの学習ができるため、独学やスクールでは得られないような実践的なスキルを身につけられるでしょう。
なお、未経験からWebデザインの仕事に就く場合は、アシスタントからスタートする可能性が高いと考えられます。働きながらWebデザインを学ぶ予定の方は、実際にデザインの仕事ができるようになるまでに時間がかかることもある点を考慮しておきましょう。
スクールで学ぶ
スクールでWebデザインを学ぶのもおすすめです。たとえば、女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)は全45以上の職種スキルが定額・学び放題*1で、前述したIllustratorやPhotoshopを学べるコースもあります。
また、目標に向かって一緒に頑張る仲間と学習状況をシェアできるコーチング*2が月1回あるため、モチベーションの維持がしやすいでしょう。
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※1:スタンダードプランの場合
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Webデザイナーに資格は必須ではないが、メリットもある!
本記事では、「Webデザイナーに資格が必要かどうか」「おすすめの資格9選」「資格を取らずにWebデザインを学ぶ方法」について解説してきました。
繰り返しになりますが、Webデザイナーになるために資格は必須ではありません。しかし、前述したように、資格があると就職や転職の際にアピールできたり、自分の技能に自信を持てたりなどのメリットもあります。
また、独学が心配な方は、スクールでの学習も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。女性向けキャリアスクールSHElikesでは、IllustratorやPhotoshopのようなWebデザイナーを目指したい方におすすめのレッスンをはじめ、全45以上の職種スキルを学べる環境があります。
無料体験レッスンを実施しているので、興味のある方はぜひ参加してみてください。