キャリアを築く上で知っておきたい“私たちの身体の大切なこと”

2022年11月20日に開催された日本最大級の女性リーダーサミット『INNOVATIVE WOMEN’S SUMMIT』。本気で世界を変えようと挑戦する起業家・トップリーダーたちによる、これから目指す未来や最新のビジネス動向についての特別対談を実施しました。

ここでは、熱狂に包まれた会場の様子をレポートします。

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今回のテーマは、女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決に導く「フェムテック」。

近年その規模はどんどん拡大し、女性だけでなく、経済的にも期待が高まってきています。

登壇していただくのはオンライン診療で低用量ピルを処方できるサービスmederi Pill(メデリピル)・mederi株式会社代表取締役の坂梨亜里咲さんと、デリケートゾーンケアブランドI’m La Floria(アイム ラフロリア)・Mellia株式会社CEOの原由記さんです。

フェムテックのプロなのはもちろんのこと、自分らしくキャリアを築きながら、身体とも向き合っているおふたり。会社の代表という多忙な立場ながら、軽やかに日々を過ごしている秘訣はどこにあるのでしょうか?SHE株式会社の小池彩加が伺っていきます。

「私はどんなときに調子が悪くなるのか」まずは知ることからスタートする

「私自身が今不妊治療中ということもあって、関心が高いテーマです」という小池の話からスタートしたこの回。小池の言葉につられ、会場では何人かの女性が頷く姿も見られました。

フェムテックに強い関心を持つ小池が用意したテーマは2つ。「仕事と健康の両立で大切なこと」と「ふたりが一人の女性として日々実践していること」です。

ひとつめの質問について、原さんは「まずは自分を知ることが大事」と話します。

「私自身、自分の身体のことを知らなくて悩んでいた時期があるんです。特に20代の頃は、『仕事が忙しい』を言い訳に不規則な生活を続けていて。そのせいか、毎月生理のタイミングで”カンジタ”という感染症にかかってしまっていたんですね。産婦人科に行って薬をもらって、一時的には良くなったと思ったらまた翌月再発して、というのを繰り返していました。そのときは、『なんでちゃんと病院に行っているのに全然治らないんだろう』と思っていましたね(原さん、以下敬称略)」

カンジタのせいで、仕事のパフォーマンスにも影響が出ていたと言う原さん。自分なりに調べてみたところ、ホルモンバランスが崩れているんじゃないかと考えたそうです。

「食生活が乱れていたり、夜寝なかったり、極端に痩せてしまったり……カンジタにかかるときを振り返ってみると、大抵ホルモンバランスが乱れるような状態であったことがわかったんです。ただ、『自分がどんな状態だとバランスが崩れるか』は人によって様々なはず。

たとえば、私は体脂肪率が18%を切ると不調な日が増えるんですね。自分の状態を知って、バランスが崩れる前に生活を見直せると、仕事と健康を両立しやすくなるんじゃないかと思います(原)」

原さんの話を受け、坂梨さんも「自分のことを知るのは本当に大事!」と話しを続けました。

「私も小池さんと同様、現在不妊治療中です。だから低用量ピルが飲めなくて。『生理痛やPMSといった不調は薬で乗り切る』という方も多いと思うのですが、今の私にはそれができないんですよね。その代わり、”体調記録”をつけるようにしているんです(坂梨さん、以下敬称略)」

身体がむくんだり、イライラしたりする人も多い生理前。坂梨さんは、そういった気持ちや体調の変化を記録して、「生理3日前になるとイライラしやすい」など自分の傾向を掴むようにしているのだと言います。

また、不妊治療中という坂梨さんに向けては、「仕事と不妊治療の両立」についての質問もあがりました。

「不妊治療と仕事の両立って大変ですよね。仕事を犠牲にして不妊治療を頑張っても、報われない可能性もありますし……。だから私は、パートナーと話し合って人生の過ごし方のゴールを決めているんです。

子どもが生まれなかったときに、私たちはどんな人生を歩みたいのかって。ふたりの間に絶対子どもが必要なのであれば、今は卵子提供や代理母出産、養子という選択肢もある。また、子どもを持たない選択肢だってある。ふたりのゴールを決めることで先が見えるようになって、私は仕事も不妊治療もがんばれるようになった気がしています(坂梨)」

身体の状態を知ると、キャリアの選択肢も、人生の選択肢も広がる 

本日ふたつめの質問は、「ふたりが一人の女性として日々実践していること」。

自分の身体をよく知り、向き合うことで仕事もプライベートも自分らしく楽しんでいるふたり。しかし、理屈ではわかっていても気持ちが追いつかない……など、日々身体や心の波もあるはず。そんな日々も軽やかに過ごすため、ふたりが実践していることを伺います。

「私の場合は、やっぱりデリケートゾーンのケアですかね。実は現在産後2ヶ月なんですけど、こうやって元気にお仕事ができているのは、デリケートゾーンのケアを通じて日々身体と向き合ってきたのが理由のひとつだと思っています。

少し想像してみていただきたいのですが、みなさんお顔を洗うときと身体を洗うときで使うソープは変えますか?おそらく、顔は洗顔フォームを、身体はボディソープをって方が多いんじゃないでしょうか。それって、顔の皮膚が身体より薄くて繊細だから専用ソープを使っているんですよね。でも、実はデリケートゾーンの皮膚って顔よりも薄いんです。なのに、デリケートゾーンはボディソープで洗う、という方が多い。

洗顔フォームを変えただけで、肌の調子がよくなった経験がある人は多いはず。同じように、デリケートゾーンのケアを変えるだけで、自分の不調に気づいたり、身体にポジティブな変化が起ったりする可能性も十分にありますよね(原)」

自分の身体と向き合い、身体の状態に合うケアを行うことが日々の幸せにもつながると話す原さん。一方、坂梨さんは「人生を豊かに生きるためには人を頼ることが大事」とお話してくれました。

「自分を知って、ひとりで背負いすぎないようにするのが大事。たとえば、苦手な家事は代行サービスを利用するとか、自分でコントロールできない生理の不調は低用量ピルや漢方に頼るとか、産婦人科に定期的に通うとか。自分ひとりでカバーできない部分を誰かに頼ることで、心も身体も余裕が持てるようになると思います(坂梨)」

また、坂梨さんからは「自分の身体の状態をきちんと知ることで、自分にあったライフプランを立てやすくなる」という興味深いお話もありました。

「私は26歳のときにブライダルチェックを受けたのですが、その検査で卵子の数が少なく、自然妊娠が難しい状態だとわかりました。ショックでしたが、そのとき自分の状態をきちんと知れたことで、子どもがほしいなら不妊治療をはじめよう、不妊治療をするなら仕事をこうしよう、と具体的な計画を立てられるようになったんです。

mederiをはじめ、今は自己検査キット+オンライン診療でチェックしてくれるところも増えてきて、以前よりも自分の身体の状態を知りやすくなっていると思います。ライフプランを考えるためにも、人生の選択肢を広げるためにも、できるところから始めてみていただけるとうれしいですね(坂梨)」

結婚するしない、子どもを持つ持たないーー。どんな選択も間違いじゃない。でも、「知らなくて選択できなかった」を減らしたい。そのためにも、まずは自分の現在地を知らなきゃいけない。

キャリアも人生も大事にしながら、軽やかに過ごすヒントが、ふたりの対談から垣間見られました。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。