三者三様のビジネスを展開する3人が説く 自分なりの起業・経営スタイルを実現する方法

2022年11月20日に開催された日本最大級の女性リーダーサミット『INNOVATIVE WOMEN’S SUMMIT』。本気で世界を変えようと挑戦する起業家・トップリーダーたちによる、これから目指す未来や最新のビジネス動向についての特別対談を実施しました。

ここでは、熱狂に包まれた会場の様子をレポートします。

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今回のテーマは、「自分なりの起業・経営」。登壇していただくのは、キャリアSNS・YOUTRUSTを運営する株式会社YOUTRUSTの代表、岩崎由夏さんと、キャリアのパーソナルトレーニングサービス・POSIWILL CAREERを運営するポジウィル株式会社代表、金井芽衣さん、そしてwebメディアを運営する株式会社スマートメディア及び株式会社インターホールディングス代表、成井五久実さんの3名です。

近年少しずつ女性起業家が増えてきて、キャリアの選択肢として「起業」を考えている方もいるはず。とはいえ、「自分の身近に女性起業家がいる」という方は多くはないかもしれません。

彼女たちは、どんなきっかけで起業を決意したのでしょうか。また、一般的に多忙なイメージのある経営とライフイベントをどのように両立させているのでしょうか。SHE株式会社の佐々木真奈美が伺っていきます。

社会に対する違和感が、起業の種になった

現在、経営者として活躍している登壇者の3名。しかし、つい数年前まで会社員として企業に所属して働いていました。それぞれ、どんなきっかけで起業を決意したのでしょうか?

「もともと起業するつもりはなかった」と話すのは、岩崎さんです。

「新卒で入社した会社で、長年採用担当をしていました。でも、やればやるほど今の転職システムが求職者の人生にとってフェアじゃないと感じるようになって……。さらに、自分が転職を検討し始めて活動してみたところ、その課題がより見えるようになったんですね。とはいえ、そのモヤモヤをどうしたらいいか当時はわかりませんでした。

その話を先輩にしたら、『そういうときに起業するんだよ』と言われて。起業を意識したのはそこからですね。(岩崎さん、以下敬称略)」

金井さんは「会社員しか選択肢がないことへの違和感」から起業を決意したのだそう。

「私が大学生だった2010年頃は、海外だと『自分でキャリアを築いていく』って価値観がすでに強かった。でも、日本だとまだ『いい大学に入っていい会社に入社する』ことが成功とされていました。そんな状況を見て、『本当に正しいキャリアのあり方なのかな?』とずっと疑問に思っていて。

キャリアに興味があったから、新卒で人材会社に入社し、求職者の転職支援を行っていました。ただ、転職支援をすればするほど『起業や副業、フリーランスっていういろんな選択肢があるのに、なんで私は“転職”という選択肢でしか支援できていないんだろう』と考えるようになったんです。そこから、このモヤモヤを解消するようなサービスが作れないかな、と(金井さん、以下敬称略)」

社会の仕組みへの違和感から、起業の一歩を踏み出した岩崎さんと金井さん。一方、成井さんは「起業するのが当たり前の環境だったから、自然と起業を考えるようになった」と言います。

「新卒で入社した会社が『将来は起業するのが当たり前』という文化でした。だから、私も20代のうちに起業したくて。そのために、会社員のうちにどんな経験を積むべきか、どんなスキルを身につけたらいいかはずっと考えていました(成井さん、以下敬称略)」

新卒の頃から起業を見据え、計画的に動いていた成井さん。しかし、「起業のためのお金も計画的に貯めていたのでしょうか?」という佐々木の質問には、「実は親からお金を借りて創業したんです」と少し照れくさそうに打ち明けてくれました。また、成井さんの答えに岩崎さんも「親から借りました!」と共感する姿が見られ、良い意味で彼女たちに親近感を覚えたトークテーマとなりました。

逃げ場がないのは辛いけど、楽しい

続いてのテーマは、「経営者としての苦悩」。まず金井さんからは「起業したばかりの頃が一番辛かった」とお話がありました。

「当たり前なんですけど、立ち上げたばかりのときは、この事業が伸びるのかどうか誰もわからないんですよ。『あなたの事業は需要がない』と言われたこともあります。それに、お金もないし、メンバーもなかなか集まらないし……。正直毎日泣いていましたね(金井)」

それでも、「自分がやっていることは正しい」という一心で事業と向き合ってきたという金井さん。その言葉に、「すごくわかる」と岩崎さんが話しを続けます。

「私もよく泣いていました。起業するって、逃げ場がないじゃないですか。プライベートでどんなに辛いことがあっても、代表としての責任は果たさなきゃいけない。でも、大きな責任を背負っているからこそ、どんなに辛いことがあっても前に進み続けられたのかな、とも思います(岩崎)」

そこから、「起業って子育てみたいだね」と盛り上がる3人。そして、成井さんからは「私は一度起業に失敗しているんです」と衝撃的なお話が。

「先程もお話したように、起業のためにいろいろ準備をしてきました。そこから満を持しての起業して、売上も立ってきたのですが……。起業から約8ヶ月後に、何千万あった売上が全部飛んでしまったんです」

自分ではどうにもならない、外部要因で起業から数ヶ月で倒産の危機に陥った成井さん。しかし、その後なんとか事業売却に成功し、現在も続けることができているのだと言います。

子育てもするし、起業して会社も大きくする。そんな行動が、きっと女性の選択肢を増やしていく

起業には責任が伴う。その責任が楽しくもあるけど、成井さんのようにいつ何が起こるかわからない不安もある。

起業家としてのキャリアと、ライフイベントの両立は可能なのかーー。会場ではそんな話題に移っていきました。

「ふたりの子どもを育てながら、どうやって仕事をこなしているんですか?」

そんな質問が、現在妊活中という成井さんから岩崎さんに投げかけられます。

「全然余裕!って言いたいけど、毎日てんやわんやですよ(笑)。毎晩気絶するように眠っています。子どもを寝かしつけたあとに残った仕事を片付けたり、勉強したりしたいと思うんですけど、まぁ無理ですね。

だから、私が子育てと仕事を両立できているように見えるなら、それは会社のメンバーのおかげです(岩崎)」

代表だって、できないことや苦手なことはある。だから、その弱みをさらけ出しメンバーに補ってもらっていると言う岩崎さん。その答えを聞いて、成井さんは「完璧に両立できているわけじゃないと聞いて安心した」と笑顔を見せました。

また、岩崎さんからは「令和に生きる女性のロールモデルになりたい」という話もしていただきました。

「SHE代表の福田さんもそうですけど、私たちのように女性で、起業家で、子どもがいる方、今の日本に全然いないんですね。起業する女性は増えてきているし、子どもを生む女性だって多いのに、これっておかしな話だなと思っていて。

だから私は、YOUTRUSTを上場して、『小さい子どもがいる普通の女性でも、こんな選択肢があるんだ』って事例をつくりたい。これが私の人生の裏ミッションなんです(岩崎)」

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。