「パソコン一台で働ける職業」として、Webデザイナー職の人気が高まっています。一方で、「本当に未経験から挑戦できるのか」と不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、未経験からWebデザイナーになるためのスキルや勉強方法などを解説します。
未経験からWebデザイナーになれるのか
結論、未経験からWebデザイナーになることは可能です。
しかし、プロのWebデザイナーとして活躍するのは、簡単なことではありません。ほとんどの求人では未経験よりも経験者が優遇されることが多く、「実務経験1年以上」などの条件が記載されています。未経験からWebデザイナーとして活躍することは、経験者以上の努力が必要であることを心得ておきましょう。
未経験からWebデザイナーになるには、次のステップが必要です。
- Webデザインのスキルを身につける
- Webデザインの実績を作る
- ポートフォリオを作成する
Webデザインのスキルを身につける

まずは、Webデザインのスキルを身につけましょう。
Webデザインでは、デザインの基礎知識からツール操作まで、幅広いスキルを身につける必要があります。たとえば、初学者が学ぶべきデザインの基礎知識として、レイアウトのルールをまとめた「デザインの4原則」があげられます。勉強方法は独学やスクールなどさまざまですので、自分にあった方法を選択しましょう。
また、学んだ知識をアウトプットすることも大切です。実際に手を動かして、自分でデザインを制作してみましょう。その際、スクールなど、講師からのフィードバックを受けられる環境に身をおくのがおすすめです。プロの意見をもとにデザインをブラッシュアップすれば、スキルが格段にアップしますよ。
Webデザインの実績を作る
Webデザインのスキルを身につけたら、実績を作りましょう。採用の場では、必ずと言っていいほど実績を重視されるためです。
とはいえ、ほとんどの場合未経験からいきなり案件を獲得するのは難しいでしょう。未経験の場合は、次のような方法でWebデザインの実績を作るのがおすすめです。
一つ目は、自主制作です。「WebデザイナースクールのWebサイト」「30代女性向け化粧品のランディングページ」など、自分で要件を決めてデザインを制作します。実務経験ではないものの、要件定義からデザイン制作まで一通り行ったという実績ができますよ。
二つ目は、友人・知人のWebサイト制作を引き受けることです。サービスや店舗を運営している友人・知人に声をかけ、ホームページ制作を引き受けさせてもらえないか交渉してみましょう。よりクライアントワークに近い形の実績を積めます。
ポートフォリオを作成する
ポートフォリオとは、自分の経歴・能力・制作物などをまとめた作品集です。就職の面接やクライアントへの営業時に必ずと言っていいほど提出を求められます。未経験の場合、実務経験がない分、ポートフォリオで自分をしっかりアピールすることが大切です。
Webデザイナーを目指すのであれば、ポートフォリオサイトを自分でデザインし、制作するのがおすすめです。「ポートフォリオサイトをデザインした」という実績ができ、デザインスキルをアピールできますよ。
ちなみに、ポートフォリオの作成ツールはサイト制作のソフトウェアとして知られているWordPressやSTUDIOがおすすめです。直感的にデザインを実装しやすく、Webサイト制作の実案件でも使用されることが多いためです。
Webデザイナーに向いている人・向いていない人

Webデザイナーに向いているのは、地道な作業をこなせる人や論理的にデザインを考えられる人、好奇心旺盛な人です。反対に、こだわりが強すぎる人や飽きっぽい人は向いていません。
Webデザイナーには、デザインの細かな調整やクライアントからの要望に粘り強く対応する力が求められます。また、「なぜこのデザインなのか」を論理立てて考える力や、デザインのトレンドを進んでキャッチする姿勢も不可欠です。
向いている人
まずは、Webデザイナーに向いている人の特徴をまとめました。
- 地道な作業をこなせる人
- 論理的にデザインを考えられる人
- 好奇心旺盛な人
一つ目は、地道な作業をこなせる人です。Webデザイナーは華やかな職業と思われがちですが、ミリ単位の調整など地道な作業を求められることもあります。細かい作業を延々と続けても苦にならない人は、Webデザイナーに向いていると言えます。
二つ目は、論理的にデザインを考えられる人です。Webデザインは、目的や課題を達成する手段です。そのため、直感的に「かっこいいから」「かわいいから」ではなく、「なぜこの配色・レイアウトなのか」「このデザインで目的を達成できるか」など、目的とデザインを照らし合わせながら考える必要があるのです。
三つ目は、好奇心旺盛な人です。Web業界では、常に新しい技術やデザインが誕生します。世の中の最新トレンドに興味を持ち、デザインに取り込むことで、表現の幅が広がりますよ。好奇心旺盛で、新しい技術やデザインに興味を持てる人も、Webデザイナーに向いているでしょう。
なお、Webデザインで大切なのは、生まれ持ったセンスではありません。デザインを学び、アウトプットをし、フィードバックがもらえる環境に身を置けば、未経験からでもプロとして通用するデザインスキルを身につけられます。
向いていない人
続いて、Webデザイナーに向いていない人の特徴を解説します。
- こだわりが強すぎる人
- 飽きっぽい人
一つ目は、こだわりが強すぎる人です。Webデザイナーは、クライアントの要望に応えることが必要です。こだわりが強すぎると、クライアントの要望に沿わないものを作ってしまう、あるいはデザインにこだわりすぎて納期が遅延してしまう可能性もあります。
二つ目は、飽きっぽい人です。時にはクライアントから細かい修正を何度も依頼されることがあります。修正依頼に対応できるような根気強さが必要という点で、飽きっぽい人には不向きでしょう。
Webデザイナーになるために必要なスキル

Webデザイナーに必要なスキルは、デザインの基礎知識からPhotoshop、Illustratorなどのデザインツールの操作まで幅広くあります。余裕があれば、Webデザインを実装するためのコーディングスキルも身につけましょう。Webデザイナーに関する資格を取得するのも一つの手ですが、まずはデザインスキルの取得を優先するのがおすすめです。
デザインの基礎知識
デザインはセンスや直感に任せるのではなく、理論に基づいて作るものです。魅力的なWebデザインを作るために、配色やレイアウト、フォント選びなど、デザインの基礎知識を一通り学びましょう。
また、レスポンシブデザインの知見も必要です。レスポンシブデザインとは、同一サイトをパソコンやスマートフォンなど、異なるデバイスで見たときのデザインを調整したものです。最近はスマートフォンを利用してサイトを閲覧する人が増えていますから、Webデザインにおいて必須の基礎知識といえます。
Photoshop
Photoshopとは、Adobe社が提供するデザインツールです。Web業界の標準のデザインソフトとして知られており、主に写真や画像の編集・加工・補正に用いられます。
Photoshopの操作は、ほとんどの企業・案件で求められるスキルです。Webデザインで使用するツールは他にもたくさん存在しますが、まずは、Photoshopの操作をマスターしましょう。
写真のトリミングや文字入れ、色調補正など機能は多岐にわたりますので、実際に手を動かしながらひとつずつ覚えていきましょう。
Illustrator
Illustratorは、Photoshopと同じAdobe社のデザインツールで、イラストやロゴ制作に向いています。
Webデザインでも使う場面が多くありますので、操作方法を身につけておきましょう。たとえば、Photoshopでサイト全体のデザインを、Illustratorでサイト内で使用する素材を制作するなど、ツールを組み合わせて使用することも可能です。
なお、デザインツールの機能は、随時アップデートされます。基本的な操作に加え、最新機能のキャッチアップも必要です。
コーディング(HTML・CSS)

コーディングとは、Webデザインをブラウザ上で見られるよう、マークアップ言語と呼ばれるHTMLやCSSを用いてサイトを実装することをいいます。HTMLはサイトの骨組み、CSSは装飾に関わる言語です。
コーディングの知識があれば、デザインを実装してくれるコーダーに配慮したデザインを制作できますので、実務が円滑に進みます。また、デザインからコーディングまで一貫して担当できるようになるため、仕事の幅も広がりますよ。
Webデザイナーの資格について
Webデザイナーに関する資格の例として、次のものがあげられます。
- ウェブデザイン技能検定
- Webクリエイター能力認定試験
- Photoshopクリエイター能力認定試験
- Illustratorクリエイター能力認定試験
ウェブデザイン技能検定、Webクリエイター能力認定試験では、Web制作全般の知識が問われます。Photoshopクリエイター能力認定試験、Illustratorクリエイター能力認定試験は、いずれもツール操作に関する資格です。ほかにもたくさんの資格がありますが、上記4つの資格はいずれも合格率が60〜70%と高いため、初学者にもおすすめですよ。
ちなみに、採用ではこれまでの制作実績やポートフォリオを重視される場合が多いため、これらの資格がなくてもWebデザイナーとして働くことは可能です。資格を取得するか迷うのであれば、デザインのスキルアップと実績作りを優先しましょう。
Webデザイナーになるためのおすすめ勉強方法
続いて、Webデザイナーになるための勉強方法をまとめました。
平均期間 | 費用 | 身に付くスキル | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|---|---|
スクール | 2〜6ヶ月 | △ | ・Webデザインのスキル | ・講師からのフィードバックを受けられる ・挫折しにくい |
・費用が高い |
会社員 | 3ヶ月〜(転職期間) | ◯ | ・Webデザインのスキル ・実務経験 |
・アウトプットの機会が豊富 ・給料をもらいながらスキルアップできる |
・就職するまでのハードルが高い ・ブラック企業の場合がある |
独学(動画・書籍) | 半年〜1年 | ◯ | ・Webデザインのスキル(教材の内容による) | ・費用が安い ・気軽に学べる |
・挫折する可能性が高くなる ・アウトプットの機会がない ・フィードバックを受けられない |
独学(アプリ) | 半年〜1年 | ◯ | ・アプリの内容による | ・費用が安い ・手を動かしながら学べる ・気軽に学べる |
・挫折する可能性が高くなる ・フィードバックを受けられない |
スクールでの勉強は他の手段と比べて費用がかさむものの、講師からのフィードバックを受けられる、勉強で挫折しにくいというメリットがあります。独学と比べてモチベーションをキープしやすく、会社員よりも挑戦するハードルが低い点が特徴です。
会社員として実務経験を積む方法は、会社に就職するまでの道のりが大変です。ただし、独学よりもアウトプットの機会が豊富に用意されています。スクールと比較すると費用面の心配はなく、むしろ学びながら給与をもらえます。
独学は、スクールより安価かつ会社員よりハードルが低く、気軽に学べる点が特徴です。ただし、スクールや会社員と違ってフィードバックを受けられない、挫折しやすいというデメリットもあります。
スクールに通う
最短期間でWebデザイナーを目指したい方におすすめの勉強方法です。いつでもどこでも受講できるオンラインのスクールと、講師に質問しやすい対面のスクールがあります。自分のライフスタイルやスクールに求める条件に合ったスクールを選択しましょう。
身に付くスキルはスクールによって異なります。デザインの基礎やデザインツールの操作だけでなく、コーディングやマーケティングなどもあわせて学べるスクールを選ぶと、仕事の幅が広がります。
講師からフィードバックを受けられるため、効率よくスキルを身につけられるのがメリットです。独学で勉強を続けられるか不安な人は、スクールの利用をおすすめします。
会社員として働きながら学ぶ
デザイナーとして会社に就職し、実務の中でWebデザインのスキルを身につける方法です。
上司から直接フィードバックを受けられるため、独学よりも早くデザインスキルを習得できます。費用がかからず、給与をもらいながらスキルアップを目指せますよ。
ただし実務未経験の場合、就職するまでのハードルが高い点がデメリットです。また、未経験から採用してくれる企業は、長時間労働を強いられるブラック企業である可能性があります。
「自分のペースで学びたい」「欲しいスキルを効率的に身につけたい」という人は、別の手段を検討するのがおすすめです。
独学(動画・アプリ・書籍)
最近では動画やアプリ、書籍など、独学でもWebデザインスキルを習得できる手段が増えてきました。動画学習サービスではUdemyやYouTube、アプリではデザインを学べるchot.designやコーディングを学べるprogateが有名です。
独学の最大のメリットは、費用が抑えられる点です。ほとんどの教材が月額無料〜数千円程度の低価格で利用できますので、勉強のはじめの一歩として気軽に始められます。
一方で、質問やフィードバックの機会がない分、スキルの習得が遅れてしまう傾向にあります。勉強のモチベーションも保ちづらく、挫折してしまう可能性が高いでしょう。
「効率良くスキルアップしたい」「一人で頑張れるか不安」という方は、スクールの利用を検討してみてください。
Webデザイナーはやめとけと言われる理由

Webデザイナーはやめとけと言われる理由には、次の内容があげられます。
- 給料・報酬が低い
- 労働時間が長い
一つ目は、給料・報酬が低いことです。正社員Webデザイナーの平均年収は444万円、最低ラインは271万円(※1)です。完全未経験の場合、給料が低めに設定されることが多いため、日本人の平均年収である約433万円(※2)を大幅に下回る可能性があります。フリーランスのWebデザイナーであっても、駆け出しの頃は単価をアップさせるのは難しく、稼げない職業という印象を持たれています。
しかし、実務経験を積んでデザインスキルの幅を広げていけば、いずれ高単価の案件を受注できるようになります。最初の給与・報酬は低くても、手に職をつけて経験を積めば、年収をアップできますよ。
二つ目は、労働時間が長いことです。クライアントありきのお仕事のため、先方の都合によっては長時間労働になってしまう可能性があります。特に納期が迫っている場合は、夜遅くまで業務をしなければならないこともあるでしょう。
たとえば、フリーランスのWebデザイナーであれば、案件の量や働く時間を調整しやすくなります。「Webデザイナーになりたいけれど、プライベートの時間も大事にしたい」「自分の裁量で仕事量を調整したい」という方は、フリーランスのWebデザイナーを目指してみてはいかがでしょうか。
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